はぐれ者の単騎特攻

ニチアサや読書について書くはずです

2022-01-01から1年間の記事一覧

ハイパーインフレーションを読んだ

きわめて短い間に物価が急激に高騰する激しいインフレーション。超インフレーション、ハイパーインフレともいう。経済学者フィリップ・ケーガンPhillip D. Cagan(1927―2012)による定義では「インフレ率が毎月50%を超えること」であり、国際会計基準の定め…

飛鳥部勝則 冬のスフィンクスから黒と愛

以前飛鳥部勝則の初期作品を読んでこのような記事を書いた。 tyudo-n.hatenablog.com それから1年近くたちついにすべての長編を読み終えたので冬のスフィンクス以後の作品を中心に作品の感想や氏の作品の作風について語ってみる次第だ。 さて、上掲の記事で…

超時空の大決戦 10年以上たって新たに気づいたこと

世間タイムラインはここ最近BLACK SUN一色で、すでに多くの感想記事が拡散している。私も余韻が色あせないうちに感想をまとめ、記事にしたいのだが…………今回は濱田岳つながりのこちらの映画について書いてみることにしよう。 ウルトラマンティガ&ウルトラマ…

BABA IS YOUで手に入れる圧倒的な就活力

あなたは超が幾つも付くような高難易度パズルゲームBABA IS YOUを知っているだろうか。このゲームを楽しむことで就活戦線をサバイブできることが分かったので共有したい。 BABA IS YOUを知らなかった人はまずこちらの動画をご覧いただこう。 www.youtube.com…

フェイクドキュメンタリーQ 意図的な欠落が「考察」を呼ぶ

フェイクドキュメンタリー「Q」が非常に見応えがあると最近話題になっているので見てみました。 私のホラー遍歴 フェイクドキュメンタリー「Q」とは ホラーとしての怖さ じわじわくる怖さ ラスト・カウントダウン 拡大するQの世界 私のホラー遍歴 今回は初の…

作品を倫理的にジャッジしてしまうことについて【短文】

今回はブログというよりTwitterのスレッド、メモ帳のような気持ちでごく気楽にかいてみたい。というか本気で向き合ったら気がおかしくなる。

TAROMAN 緻密なでたらめさが生んだ令和の70年代特撮

半端な知識で分かったような口を利く、それがいかに傲慢なことか 岡本太郎 タイムラインでよく名前を見るからと軽い気持ちで見た「TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇」がべらぼうに面白かった。 ご存じない方のために説明すると、TAROMANは1970年代に放送された特…

多重解決の精華 ワトソン力 大山誠一郎

ミステリの醍醐味を意外な推理=解釈がもたらす興奮に求めるならば、一つの事件に対し複数の解決が提示される多重解決ものは「一粒で何度もおいしい」というこの上なく魅力的なジャンルとなる。 あくまで印象だが実際に愛好家からの人気もあるように思うし多…

メギド72 10章1節中心の備忘録

なんとなく手を着けられずにいた9章3節以降のシナリオを攻略し、最新節に追いつけたので備忘録程度に以降のシナリオで気になったことを書く。備忘録なので当然ネタバレ要素はある。 シナリオ周り レジェ・クシオ アンチャーター アスモデウス ルシファー・ガ…

2022年上半期の本ベスト10

私の名は赤 アーサーマンデヴィルの不合理な冒険 木製の王子 ヒカリ文集 おれの眼を撃った男は死んだ 第七官界彷徨 Zの悲劇 歪んだ創世記 蒼海館の殺人 崖っぷち 私の名は赤 西洋文化が流入するムラト三世治下のオスマントルコ帝国、細密画(イスラム教圏で描…

ジオウOQで学ぶディケイド完結編

白倉伸一郎への評価はいかにして変化したのか(ざっくり) 今でこそ押しも押されもせぬ平成ライダーの立役者としての評価が固まりつつある白倉信一郎だが、十年以上前の特撮ファンダム(特に2ちゃんねる周り)を知っている人ならば現状に隔世の感を覚えるだろ…

ドンブラザーズにおけるモノローグと代替可能性

ドンブラザーズがハチャメチャに面白い。なので敬意を示す意味で「私はこの物語をこう見る」という話をしておきたい。先日最近の若者は作品に対して考察をしたがらないという話を見たばかりなのでカウンターとして考察を名乗りたい気持ちもあるのだが*1全話…

感想 リバイス the mystery

せっかく見たので、リバイス the mystery(リバミス)についてミステリーとしての側面と仮面ライダーシリーズとしての側面からネタバレ込みでさくっとコメントを書き残しておく。 ミステリー 仮面ライダー おまけ

何もしていないのにTwitterが壊れたからイーロンマスクに修理してもらいたい

何もしていないのにTwitterが壊れていく。 などと聞くとTwitterを知らないまともな人は眉をひそめるのではないか。 デジタル関係で何もしていないのに壊れたと訴える人は大抵なにかやっているというのは常識だからだ。

オススメ本 アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険

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ティガを継ぐもの ウルトラマントリガー ニュージェネレーションの苦悩

ウルトラマンティガ25周年にあたる2021年、この年に放送を開始した「ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA」はティガとのつながりを押し出し、前作である「ウルトラマンZ」の高評価もあってか商業的な成功を収めた。にもかかわらずネットでの反応を見る…

嘘喰いとバトゥーキ 知による掌握から暴による相互理解へ

迫稔雄によって描かれた漫画「嘘喰い」と「バトゥーキ」、かなり雰囲気が異なる作品なのだが続けて読むことによってテーマ、あるいは作中の哲学に関連性があるのではないかと思えてきたため今回は二作品の連続性について考えてみたい。 嘘喰いはギャンブル漫…

2021年下半期の本10冊

遅刻もいいところですが駆け足で紹介します 掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリンという人は波瀾万丈の人生を送った人で子供時代は父の仕事の都合で様々な国を転々とし、長じてからはアルコール依存に悩まされながらも様々な職について、三度の結婚でも…