はぐれ者の単騎特攻

ニチアサや読書について書くはずです

メギド72を知らなくても知ってほしい 11章が終わってもメギド72のメインストーリーから目が離せない理由

2024年の3月更新で『メギド72』のメインシナリオ11章が完結した。この11章ではいくつかの大きな騒動も収束を迎え、リリースから数えて6年以上もの時間をかけた物語のある意味では大団円とも呼べるような作りになっている。 しかしながら1プレイヤーである私…

変わり続ける本能 仮面ライダー555 パラダイス・リゲインド感想

『仮面ライダー555』(以下『555』)放送から20年を迎えた2024年に公開された『仮面ライダー555 パラダイス・リゲインド』(以下『パラリゲ』)は当時の主要キャストとスタッフをそろえ、『仮面ライダージオウ』や『仮面ライダー4号』とは異なる『555』の終…

ざくっと感想:どうなる2024年のスピ・陰謀論 黒猫ドラネコ 雨宮純

先日横浜にて開催された『どうなる2024年のスピ・陰謀論』を見てきました。 登壇者に危害を加えられる虞もあるためネットに感想をあげる際は固有名詞は出さずなるべくフワッとさせてくださいとのアナウンスがあったので具体的な名詞は出さずに、箇条書き程度…

ウソツキ!ゴクオーくん 倒叙ミステリの新境地

『ウソツキ!ゴクオーくん』を読んだところあまりに面白くて腰を抜かしてしまったので、腰が治るまで養生がてらどこがどう面白かったのか書き残しておく。 まず『ウソつき!ゴクオーくん』について簡単に説明すると、小学生となってこの世を観察に来た閻魔大…

2023年下半期の本

今年も終わるのでまた10冊選んでやっていきます。 下半期のトピックはなんといっても「鵼の碑」でしょう。サプライズにもほどがある。17年ぶりの最新長編は出版がすでにひとつの事件といってもいい。 しかし目下注目しているのは「仮面ライダーBLACK SUN」な…

自助共助の時代の物語としての「ゴジラ-1.0」が「シン・ゴジラ」と対照的だった

「まずは、自分でできることは自分でやってみる。そして、地域や家族で助け合う。その上で、政府がセーフティーネットで守る」 菅氏は14日、新総裁に選出された直後のあいさつで、目指す社会像として重ねて「自助・共助・公助」を掲げ、こう語った。 菅氏…

プリキュアオールスターズF 手を取り合い前に進む

「映画プリキュアオールスターズF」を見てきました。プリキュアシリーズという女児アニメを牽引し続けているレジェンドクラスのシリーズにおいてもマイルストーンになりうるとんでもない物を見てしまったという実感があり、久々に感想を書かねばならないとい…

「仮面ライダーギーツ」の幸せの総量ってどないなのん?(超小ネタ)

本当は仮面ライダーギーツの総括を書きたかったんだけど時間がとれそうもないので小ネタを1つ。 「ギーツ」終盤の鍵を握る概念として、「幸せの総量」なる言葉があったと思うんだけどそれが少なくとも見かけの上では成り立ってないんじゃないの? というだけ…

牙狼 炎の刻印に見る小林靖子文脈

牙狼 炎の刻印を配信で視聴したので簡単に感想を書いてみる。

「僕が国語の教科書を編纂するとしたら」アンソロジー

国語の教科書が配られると真っ先にページをめくってどんな作品が収録されているのか確認していた皆さんこんにちは!鷹クラーケンです。 いきなりですが、今の高校生は大学入試の制度変更の煽りによって現代文の授業で物語に触れることがとても少なくなったそ…

2023年 上半期の本10冊

ついこの間始まった2023年も早くも半分が過ぎ去ろうとしています(過ぎ去りました)。皆さんは有意義な半年を過ごせましたか?私は……私は…… ・終末少女 古野まほろ ・野川 古井由吉 ・俺が公園でペリカンにした話 平山夢明 ・書楼弔堂 待宵 京極夏彦 ・アラ…

TAR/ター 158分の楽譜

「TAR/ター」を見てきました。といっても見てから2週間近く経過しているのですでに記憶は変質してしまっていると思います。 以下あらすじと感想。 リディア・ター(ケイト・ブランシェット)は、ドイツの著名なオーケストラで初の女性首席指揮者に任命され…

麻耶雄嵩「化石少女と七つの冒険」 感想:二重三重に仕組まれた後味の悪さ

傑作でした。例によってネタバレしながらの感想になるので未読の方はご注意ください。以下改行を開けてネタバレがあります。

千年王国から遠く離れて―「終末少女」「征服少女」「侵略少女」

古野まほろは著作である推理小説シリーズ「天国三部作」の最終刊である「侵略少女」の刊行に寄せて「本作品は極めてオーソドックスなロジック本格だ。だが主観的に述べれば、これはガラパゴス化の枢奥と最果てに到達した、総伏線主義に立脚するフーダニット本格…

購読しているブログのおすすめ記事とおすすめbot

先日とあるブログを読んでいると突然「日頃読んでいるブログを自分一人で楽しむんじゃなくて他の人たちにも読んでもらいたいな」という思いが胸に生じました。シェアの概念が生まれた瞬間です。 今回は購読しているブログについて簡単に紹介し、おすすめの記…

シン・仮面ライダー 雑感(ネタバレあり) 誠実なリブート?

公開初日に見に行けたのでまとまりきらない感想をつらつらと書いていきます。思いついたこと並べていくので必然的にネタバレ要素があるのでご注意ください。

豊本で見る東京03のコント5選

昔、バラエティー番組で「人気を等分しているコンビ、トリオはどこだ?」みたいなクイズをやっていてその選択肢の中に東京03もいたし有力候補みたいな扱いだったんだけど、ふたを開けてみれば豊本がまあまあ不人気で豊本の代わりにテレビの前で泣いたことが…

「地元で一番スマブラ上手」そうなポケモン

各々の興味関心が少しでも重なり合う場所を見つけようと不器用に話題を探る入学したての大学生が最終的に休らうのは幼い頃の共通の体験スマブラだったりする。心やすくなった学生の中には自分を大きく見せようと「オレは地元では一番スマブラがうまかった」…

2022年の下半期10冊

半年に一度の当ブログの恒例記事でございます。毎度書き始めるたび「さてこの半年どんな本を読んだかな」と思い返すのですが案外出てこないもので「読書記録を書いておけば良かったな」と後悔を始めてしまいます。日頃記録を怠っている自分を擁護する訳では…

ハイパーインフレーションを読んだ

きわめて短い間に物価が急激に高騰する激しいインフレーション。超インフレーション、ハイパーインフレともいう。経済学者フィリップ・ケーガンPhillip D. Cagan(1927―2012)による定義では「インフレ率が毎月50%を超えること」であり、国際会計基準の定め…

飛鳥部勝則 冬のスフィンクスから黒と愛

以前飛鳥部勝則の初期作品を読んでこのような記事を書いた。 tyudo-n.hatenablog.com それから1年近くたちついにすべての長編を読み終えたので冬のスフィンクス以後の作品を中心に作品の感想や氏の作品の作風について語ってみる次第だ。 さて、上掲の記事で…

超時空の大決戦 10年以上たって新たに気づいたこと

世間タイムラインはここ最近BLACK SUN一色で、すでに多くの感想記事が拡散している。私も余韻が色あせないうちに感想をまとめ、記事にしたいのだが…………今回は濱田岳つながりのこちらの映画について書いてみることにしよう。 ウルトラマンティガ&ウルトラマ…

BABA IS YOUで手に入れる圧倒的な就活力

あなたは超が幾つも付くような高難易度パズルゲームBABA IS YOUを知っているだろうか。このゲームを楽しむことで就活戦線をサバイブできることが分かったので共有したい。 BABA IS YOUを知らなかった人はまずこちらの動画をご覧いただこう。 www.youtube.com…

フェイクドキュメンタリーQ 意図的な欠落が「考察」を呼ぶ

フェイクドキュメンタリー「Q」が非常に見応えがあると最近話題になっているので見てみました。 私のホラー遍歴 フェイクドキュメンタリー「Q」とは ホラーとしての怖さ じわじわくる怖さ ラスト・カウントダウン 拡大するQの世界 私のホラー遍歴 今回は初の…

作品を倫理的にジャッジしてしまうことについて【短文】

今回はブログというよりTwitterのスレッド、メモ帳のような気持ちでごく気楽にかいてみたい。というか本気で向き合ったら気がおかしくなる。

TAROMAN 緻密なでたらめさが生んだ令和の70年代特撮

半端な知識で分かったような口を利く、それがいかに傲慢なことか 岡本太郎 タイムラインでよく名前を見るからと軽い気持ちで見た「TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇」がべらぼうに面白かった。 ご存じない方のために説明すると、TAROMANは1970年代に放送された特…

多重解決の精華 ワトソン力 大山誠一郎

ミステリの醍醐味を意外な推理=解釈がもたらす興奮に求めるならば、一つの事件に対し複数の解決が提示される多重解決ものは「一粒で何度もおいしい」というこの上なく魅力的なジャンルとなる。 あくまで印象だが実際に愛好家からの人気もあるように思うし多…

メギド72 10章1節中心の備忘録

なんとなく手を着けられずにいた9章3節以降のシナリオを攻略し、最新節に追いつけたので備忘録程度に以降のシナリオで気になったことを書く。備忘録なので当然ネタバレ要素はある。 シナリオ周り レジェ・クシオ アンチャーター アスモデウス ルシファー・ガ…

2022年上半期の本ベスト10

私の名は赤 アーサーマンデヴィルの不合理な冒険 木製の王子 ヒカリ文集 おれの眼を撃った男は死んだ 第七官界彷徨 Zの悲劇 歪んだ創世記 蒼海館の殺人 崖っぷち 私の名は赤 西洋文化が流入するムラト三世治下のオスマントルコ帝国、細密画(イスラム教圏で描…

ジオウOQで学ぶディケイド完結編

白倉伸一郎への評価はいかにして変化したのか(ざっくり) 今でこそ押しも押されもせぬ平成ライダーの立役者としての評価が固まりつつある白倉信一郎だが、十年以上前の特撮ファンダム(特に2ちゃんねる周り)を知っている人ならば現状に隔世の感を覚えるだろ…