はぐれ者の単騎特攻

ニチアサや読書について書くはずです

特撮

変わり続ける本能 仮面ライダー555 パラダイス・リゲインド感想

『仮面ライダー555』(以下『555』)放送から20年を迎えた2024年に公開された『仮面ライダー555 パラダイス・リゲインド』(以下『パラリゲ』)は当時の主要キャストとスタッフをそろえ、『仮面ライダージオウ』や『仮面ライダー4号』とは異なる『555』の終…

自助共助の時代の物語としての「ゴジラ-1.0」が「シン・ゴジラ」と対照的だった

「まずは、自分でできることは自分でやってみる。そして、地域や家族で助け合う。その上で、政府がセーフティーネットで守る」 菅氏は14日、新総裁に選出された直後のあいさつで、目指す社会像として重ねて「自助・共助・公助」を掲げ、こう語った。 菅氏…

「仮面ライダーギーツ」の幸せの総量ってどないなのん?(超小ネタ)

本当は仮面ライダーギーツの総括を書きたかったんだけど時間がとれそうもないので小ネタを1つ。 「ギーツ」終盤の鍵を握る概念として、「幸せの総量」なる言葉があったと思うんだけどそれが少なくとも見かけの上では成り立ってないんじゃないの? というだけ…

牙狼 炎の刻印に見る小林靖子文脈

牙狼 炎の刻印を配信で視聴したので簡単に感想を書いてみる。

シン・仮面ライダー 雑感(ネタバレあり) 誠実なリブート?

公開初日に見に行けたのでまとまりきらない感想をつらつらと書いていきます。思いついたこと並べていくので必然的にネタバレ要素があるのでご注意ください。

超時空の大決戦 10年以上たって新たに気づいたこと

世間タイムラインはここ最近BLACK SUN一色で、すでに多くの感想記事が拡散している。私も余韻が色あせないうちに感想をまとめ、記事にしたいのだが…………今回は濱田岳つながりのこちらの映画について書いてみることにしよう。 ウルトラマンティガ&ウルトラマ…

TAROMAN 緻密なでたらめさが生んだ令和の70年代特撮

半端な知識で分かったような口を利く、それがいかに傲慢なことか 岡本太郎 タイムラインでよく名前を見るからと軽い気持ちで見た「TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇」がべらぼうに面白かった。 ご存じない方のために説明すると、TAROMANは1970年代に放送された特…

ドンブラザーズにおけるモノローグと代替可能性

ドンブラザーズがハチャメチャに面白い。なので敬意を示す意味で「私はこの物語をこう見る」という話をしておきたい。先日最近の若者は作品に対して考察をしたがらないという話を見たばかりなのでカウンターとして考察を名乗りたい気持ちもあるのだが*1全話…

感想 リバイス the mystery

せっかく見たので、リバイス the mystery(リバミス)についてミステリーとしての側面と仮面ライダーシリーズとしての側面からネタバレ込みでさくっとコメントを書き残しておく。 ミステリー 仮面ライダー おまけ

ティガを継ぐもの ウルトラマントリガー ニュージェネレーションの苦悩

ウルトラマンティガ25周年にあたる2021年、この年に放送を開始した「ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA」はティガとのつながりを押し出し、前作である「ウルトラマンZ」の高評価もあってか商業的な成功を収めた。にもかかわらずネットでの反応を見る…

好きな(印象的な)グロンギ Top5

先日仮面ライダーヒストリアを見て「今見てもグロンギの不気味さは全く古びないな」「むしろ画質が相対的に悪くなったことで一層無気味に思う人もいるんじゃないか?」と思ったのでこんな記事を書いてみることにした。早速いってみよう。 第5位 ラ・ドルド・…

バルカン&バルキリー感想のようなゼロワン総括のようなバルバル感想

「『賛否両論』って語感から言えば賛否相半ばのようだけど、実際用例を見ると賛の意見は精々三割くらいだよね」 先日こんな話を聞いて納得したのだが、これでいうと仮面ライダーゼロワンは賛否両論の作品だったと僕はまとめたくなる。僕自身の感想という意味…

終わりから始まる物語「仮面ライダーセイバー」 タッセルは敵か味方か

セイバーの一番の特徴は何か、答えは様々あるはずです。「本の力で変身する」、「仮面ライダー史上初のEDダンス」令和ライダーを紹介するときにはこのあたりが取り上げられるでしょう。しかし今私が大注目する特徴は「タッセルの存在」。 真っ赤な帽子に緑の…

がんばれいわ‼ロボコン/スプリンパン/人体のサバイバル 感想 浦沢脚本に埋もれない力強い三本

今回の三本立て、MOVIE大戦アルティメイタム以来のスクリーンで見る浦沢脚本……以外にも見どころ溢れる強烈なラインナップでした。 「三本立てっていうのは三本とも立てるから三本立てなんだよ」との意思を感じて大変良かった。 がんばれいわ‼ロボコン ウララ…

NEW電王を振り返ってみないか?

ーお前、電王の仲間か?! ーていうより、今から俺が、電王! 登場そうそう野上幸太郎/仮面ライダーNEW電王はイマジンの問いかけにこう言い放つ。 これは観客に向けた宣言でもある。2008年に公開された「劇場版 さらば仮面ライダー電王 ファイナル・カウント…

ザ☆ウルトラマンはウルトラマン入門にうってつけ

ザ☆ウルトラマンはウルトラシリーズの中でも一風変わった作品といえる。科学警備隊に所属するヒカリ超一郎はバッジを額に当て「ウルトラチェンジ」と叫ぶことによってウルトラマンジョーニアスへと変身する――こう書くとテンプレめいた設定だが実はこの作品、…

牙狼-VERSUS ROAD-を見ている人ってどれくらいいるわけ?

牙狼シリーズの最新作、牙狼-VERSUS ROAD-(牙狼VR)が放送中だ。牙狼シリーズとは2005年に第一作が放送され、今に至るまで断続的にではあるが新作が作られ続けている深夜特撮の最後の砦(諸説あり)だ。複数の世界観の作品が並行して走っているので視聴の順番に…

ミスターガラス ヒーローに仕掛ける憑き物落とし

京極夏彦いいよね……京極夏彦のデビュー作、姑獲鳥の夏に連なる百鬼夜行シリーズの探偵役中禅寺秋彦は、摩訶不思議な事件を「憑き物落とし」で華麗に解体する。「この世に不思議なことなど何もないのだよ」と語る彼によれば不思議とは人間の認識によって生ま…

リュパパト 衝突した正義の継承者

※書こうと思ってから時間が空いたので映画の記憶はおぼろだぞ 「スーパー戦隊MOVIEパーティー」が2月8日に全国の映画館で公開された。この作品は「劇場版 騎士竜戦隊リュウソウジャーVSルパンレンジャーVSパトレンジャー」(リュパパト)と「魔進戦隊キラ…

P.A.R.T.Y.のOver Quartzerと平成ライダーの文脈への理解度は異常

2019年、一番クールだった映画は「仮面ライダージオウ Over Quartzer」(以下OQ)だ。 テレビでは収めきれなかったドライブ編を抱え込みつつジオウの総決算と平成ライダーの総決算をやり切り、しかもそれが空中分解するどころか奇跡的なレベルでかみ合っている…