はぐれ者の単騎特攻

ニチアサや読書について書くはずです

プリキュアのイメージカラーとスタプリ 後編

tyudo-n.hatenablog.com

パート1(前編)はこちら

一応前回の記事を読んでいただいたほうが話の流れが繋がりやすいと思うのでぜひ読んでみて下さい。

 

 ピンクキュア(星奈ひかる/キュアスター)

「前向き」

 挫折を味わい下を向くことはありましたが(11話:輝け☆ サザンクロスの力!)基本的には他のメンバーを引っ張っていました。彼女の未知へと飛び込んでいく力は前向きな印象を生み出すのに大きく貢献しているといえるでしょう。

 

「人との距離が近い」

描かれていましたが必ずしも肯定的ではありませんでした。ケンネル星では積極的に彼らに話しかけていたため鬱陶しがられていましたね。カッパードにイマジネーション(他者への想像力)不足を指摘される部分もありました。後述しますが彼女の対人スタンスはこれまでのピンクとは少し違います。

 

「芯が強い」

ノットレイダーの理屈に真っ向から反論し続けたため芯が強いように見えます。ただひっかかるのが秋映画(星のうたに想いをこめて)での行動です。ひかるとララのもとにやってきた不思議な生き物、ユーマが星の子どもで星になるためにお別れしなくてはならない事実を突きつけられたとき、ララは別れるのは嫌だと反発します。ところがひかるはそんなララとは反対に別れなければいけない現実を受け入れます。

ララにわがままを言わせるための措置だと割り切ってしまうこともできますがここも他の主人公にないひかるらしい点でしょう。祖父の躾もあって破天荒ながらも礼儀正しい彼女は覆せないルールの存在も受け止められるのかもしれません。

 

その他 

自分の興味を突き詰めることに夢中だったひかるは人と何かを共有することに興味を持てませんでした。ここが彼女の特異な点です。UMAや宇宙人など「ムー民」的な趣味は人とは共有しにくいこともあってか自然と一人でいる時間が増えたのでしょう。

芸術家肌で一人でいることも多い美翔舞に近いですね。

細かい部分では印象に残るのは、生徒会長であるまどかの推薦で生徒会選挙に出馬する回(35話:ひかるが生徒会長!?キラやば選挙バトル☆ )であるべき会長の姿を演じ疲弊するひかるです。以前の作品でも生徒会選挙を扱うことはありましたがピンクは出馬せずに応援する立場に回るのが普通でした。

 

緑キュア(羽衣ララ/キュアミルキー)

前回、緑キュアの共通点として「守る」要素が入っていると指摘しました。ララと「守る」の組み合わせはどちらかといえば保守的な意味に見えます。マニュアルを重視していたイメージが強いので。もちろんフワを守りたい思いはあるのでしょうがこの気持ちは他のメンバーにもあるために特筆すべきとは思えません。史上初の異星人プリキュアの称号も持っていますが今までにも人間以外の種族がプリキュアになったことはあるのでこちらもそこまで大きく取り上げることとは私には思えませんでした。

 

緑キュアであるララの今までにない特徴といえば「主人公の相棒役」を担ったことでしょう。今までは白キュアや青キュアが務めることが多かったこのポジションを緑キュアが務めるのは初めてのことです。ミルキーは緑が主張していないデザインです。それでも「不人気」と揶揄されることが多かった緑に二番手を務めさせることは一つの冒険ではないでしょうか。それどころか映画ではユーマと離れたくないと強く主張しドラマ面における主役を演じました。

 

黄色キュア(天宮えれな/キュアソレイユ)

黄色が先輩ポジションにつくのは初めてです。ハートキャッチのえりかがそうであったようにピンクが変わり種なぶん主人公らしさを一部分け与えられているような印象があります。

 

えれなは観察能力があり着実に相手の心を開いていました。バックボーンとして自分と人との違いに悩んだ経験から人それぞれの個性を認める姿勢が身についていた点があげられるでしょう。一面的なものの見方を否定するスタプリの価値観を(「『決めつけ』は無しだよ!」)体現していましたね。もしかすると今後はピンク以外のカラーを背負ったメンバーに主人公らしさを持たせていく作品が増えていくかもしれません。

 

紫キュア(香具矢まどか/キュアセレーネ)

まどかは父親の教えに従い、学業、弓道、ピアノなどで高い成果を出すも自分に自信が持てず「まいにちがつなわたり」の状態にありました。えれなが「観星中の太陽」と称されるのに対しまどかは「観星中の月」なのは、誰かの光を受けて輝く不安定さを表しているかのようです。

 

琴爪ゆかりと似ているけど「なんでもできるからこそ退屈」と「何でもこなしているのに自信が持てない」では私は後者により生き辛さを見出してしまいます(悩みに序列をつける訳ではありませんが)。

 

 父を決別すべき相手としなかった点はルールーのドクタートラウムへの態度を彷彿とさせます。抑圧的にも見えた父親の教えを活かしながら自分の意思を見せていったまどかもまたスタプリらしい登場人物でした。

 

虹キュア(ユニ/キュアコスモ)

ユニについて語るなら前回では要素を抜き出すのみにとどめてしまったシエルについて説明する必要があると気付いたのでパパッと。シエルは弟のピカリオとともに伝説のパティシエ”プリキュア”になるためにスイーツ作りに勤しんでいました。才能に恵まれていた彼女はパリでの修行でも上達が早く、何気ない一言で伸び悩んでいたピカリオを傷つけてしまいます。ピカリオはその心の傷に付けこまれジュリオとしてノワールの傘下に入ってしまうのでした。

 

一方ユニは故郷である惑星レインボーの住民を(半ば事故のような形で)石像に変えてしまったアイワーンを恨み、変装により部下として彼女の懐に入りこみます。そして腹心の部下として信頼を得たのちに正体を明かし「お前が信頼していたバケニャーンなど端からいなかった」ことを突きつけアイワーンを絶望させました。

 

両者とも最終回では傷つけた相手と和解しています。ある意味では似たストーリーを背負う二人ですがそこには大きな違いが見えます。それは彼女の加害行為が過去形ではなく現在時制で語られた点と意図的にアイワーンを傷つけた点です。この二点が視聴者の感情移入を拒むようになっています。どちらも制作陣が意図的に設けた要素と思われます。

 

学校に編入しなかったというのはシリーズを通してもおそらく初めてのことでした。とはいえユニに関しては今までと違うというよりもシエルを踏まえてより尖らせてあると捉えたほうが実態に即しているのでしょう。

 

言い訳させてほしい

どうしてもピンクが一番比較材料も多いので書きたいことが出てしまいます。……というか先輩コンビについて書けることは思った以上に少なくてどうしようかと思った。

ヒープリも早くも6話まで放送されているので今から1クール終了を見据えて準備したほうがいいな…?