はぐれ者の単騎特攻

ニチアサや読書について書くはずです

「仮面ライダーギーツ」の幸せの総量ってどないなのん?(超小ネタ)

本当は仮面ライダーギーツの総括を書きたかったんだけど時間がとれそうもないので小ネタを1つ。

 

「ギーツ」終盤の鍵を握る概念として、「幸せの総量」なる言葉があったと思うんだけどそれが少なくとも見かけの上では成り立ってないんじゃないの? というだけの話です。

幸運がプールされていてそれは全て誰かに分け与えられているから自分が幸せになろうと思えば誰かを不幸にするしかないし、デザグラは優勝者が願いを叶えることでその配分を偏らせるが故に問題(厳密に言えば幸せを求める気持ち「ギラギラ」の配分?)という前提の上で見るとブーストMarkⅡの誕生のプロセスは結構危ない。

 

過去の英寿がデザグラで優勝したときの願いを4回分プールして、いざというときに解放するって経緯なわけだけどじゃあその願いを叶える原料ってどこから来たんだろう。

 

可能性としては二つあってまず一つは「願いと幸せをセットでプールしていた」というもの。仮にそうだとしたら少なくとも見た目の上では幸せの総量が減ってしまっているしこれは意図がどうであれまあまあマズい。

もう一つは「願いを実現させる段階で幸せを徴収した」という可能性だが、こっちもこっちで問題がある。幸せの総量が決まっている以上誰かがとてつもなく不幸になるか大勢の人がうっすら不幸になるかしかなさそうだからだ。しかしそんな巨大な反動については全く触れられていないので前者の可能性の方が妥当に見える。

 

これは別にギーツや英寿にケチをつけたいんじゃなくて、最終的に撤廃されるとは言え幸福にゼロサムゲーム的な考えを持ち込むとどうしても厄介な話になってしまうなという話でした。お粗末様です。

 

ちゃんとしたギーツの総括はねえ……冬映画あたりに合わせて上げられたら……うん。

「僕が国語の教科書を編纂するとしたら」アンソロジー

国語の教科書が配られると真っ先にページをめくってどんな作品が収録されているのか確認していた皆さんこんにちは!鷹クラーケンです。

 

いきなりですが、今の高校生は大学入試の制度変更の煽りによって現代文の授業で物語に触れることがとても少なくなったそうです。

 

そしてそれは小中学生であっても同じだとか。

note.com

 

やけどするのが怖いので制度変更の是非については口をつぐみますが、山月記羅生門のような優れた作品に触れる機会を知らず識らずの内に失っている高校生がいると思うと悲しくなります。

 

そこで!今回は小説を中心とした国語の教科書を編纂してみようと思います!

新しい歴史教科書を作る会とは無関係に! (アンソロジー組みたいだけと違うんか?はい……)

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2023年 上半期の本10冊

ついこの間始まった2023年も早くも半分が過ぎ去ろうとしています(過ぎ去りました)。皆さんは有意義な半年を過ごせましたか?私は……私は……

 

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TAR/ター 158分の楽譜

「TAR/ター」を見てきました。といっても見てから2週間近く経過しているのですでに記憶は変質してしまっていると思います。

以下あらすじと感想。

 

リディア・ター(ケイト・ブランシェット)は、ドイツの著名なオーケストラで初の女性首席指揮者に任命される。リディアは人並みはずれた才能とプロデュース力で実績を積み上げ、自身の存在をブランド化してきた。しかし、極度の重圧や過剰な自尊心、そして仕掛けられた陰謀によって、彼女が心に抱える闇は深くなっていく。

 

割と率直な感想を言えば「面白いと難しいのつばぜり合いを後者が僅差で抜け出した」となるが、それは面白さの不足というよりも難しさの過剰によるものだ、と思う。

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麻耶雄嵩「化石少女と七つの冒険」 感想:二重三重に仕組まれた後味の悪さ

傑作でした。例によってネタバレしながらの感想になるので未読の方はご注意ください。以下改行を開けてネタバレがあります。

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千年王国から遠く離れて―「終末少女」「征服少女」「侵略少女」

古野まほろは著作である推理小説シリーズ「天国三部作」の最終刊である「侵略少女」の刊行に寄せて「本作品は極めてオーソドックスなロジック本格だ。だが主観的に述べれば、これはガラパゴス化の枢奥と最果てに到達した、総伏線主義に立脚するフーダニット本格である。ゆえに正統と異端、論と情、聖と淫等々が双立する。要は純粋本格にして奇書だ。」と述べている。

 

古野まほろ【エッセイ】新刊『侵略少女 EXIL girls』に寄せて|ジャーロ編集部|kobunsha|note

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