はぐれ者の単騎特攻

ニチアサや読書について書くはずです

日常用語で使えてほしい将棋用語

日常生活には「専門用語」が溢れている。女子高生がJKを自称していると私は正直ギクッとする。寿司屋で符牒をこれ見よがしに使う客は嫌われる。

 

そんな専門用語にはボードゲームに由来する言葉がとても多い。例えば囲碁からは「ダメ押し」「布石」、麻雀からは「役満」「リーチ」、双六からは「振り出し」「上がり」といった言葉が広く使われている。

将棋から来た用語も当然ながらかなり多く、思いつくままに上げてみても

 

高飛車 (逆)王手 成金 詰み 持ち駒 駒落ち 将棋倒しetc

 

と枚挙にいとまがない。最近では理詰めで解決できるさまを詰将棋という人を見る。

 

しかし、将棋用語はまだまだある。これらを日常生活に取り入れれば意思疎通がスムーズになる場面が増えるのではないか。

将棋用語を急に使いだしたら痛い人に見られそう? でも最初に将棋と無関係な局面(こいつも囲碁か将棋から来た言葉だね)で王手って言いだした奴、結構痛い奴だったんじゃないかなとも思うんだ。なので皆さんも自己責任で使ってみてほしい。

 

将棋用語というよりスラングというべきものも混じっている気はするがそれはそれ。

 

「駒を切る」

角や飛車を犠牲にその局面で必要な駒をとること。へぼ将棋王より飛車をかわいがりという川柳が端的に示す通り強力な駒を切るのには勇気がいる。これを適切なタイミングで出来れば職場や学校での将棋では容易には負けないでしょう。

「彼は免許更新を切って新作ゲームを買いに走った。」と書けば「免許更新をせずに」と書くよりもより積極的にゲームを選び取ったニュアンスを出せます。

 

「友達を無くす手」

大優勢から確実に勝利にもっていけるが相手からすればやる気を著しくそがれるような手。相手の攻めを先んじて受けるような手はほどほどにしよう。

 

「重い」

投入されている駒に対して攻めが効果的でない(駒を活かしきれていない)、といった様子。自分の駒が他の駒の動きを阻害しているようなイメージ。盤面を見て攻めが重いか軽いか判断するのは難しいですが日常生活で使うのは簡単です。力は入っているけど効果が薄い努力をしている人を見て「力は入っているけど効果が薄い努力をしているなあ」というより「努力が重いなあ」といったほうが角が立ちませんね。この場合何も言わないのが最善手なのでは?

 

「手将棋(力戦)」

前例がなく、参考にできるものが少ない一局。セオリーを外して未知の状態に持っていきたがる人を力戦派と呼ぶのは真面目に使えなくもなさそう。力戦で結果を残す人は豪腕と形容される。

 

「ゼット」

ZETTAI詰まないのZから来た言葉で、必ず詰まない状態を指す。用例としては「桂馬ゼット」や「斜めゼット」など渡せない駒の名前や特徴を頭につけて「それ以外ならどの駒でも詰まない」様子を指すことが多いか。これを把握していれば駒を切りやすい。

ギリシャ神話のアキレスはアキレス腱ゼット。

 

「邪魔駒」

 いないほうが助かる味方の駒のこと。日常生活で使えてほしいとは言ったけどこれはあまり使えてほしくないかもしれん。

 

ただ、専門用語を比ゆ的に用いると「〇〇警察」がわらわらわいてくるのも事実。うかつに「将棋を打つ」なんて言おうものなら「将棋は指すものなんですけど! ふじこふじこ」と糾弾する人がやってこないとも限らない。

実際私もHUNTER×HUNTERでメルエムがネテロ会長に「すぐに詰んでやろう」と豪語するシーンで結構萎えた。

正しくは他動詞で「詰ませてやろう」と言うべきだから。勿論軍棋用語の「詰み」の使い方としてはあっているという可能性もあるけどそれならそうと説明してほしかったよ富樫。

 

将棋は好きだけど人様に教えられるほど強くないので書くネタに困る。今度は好きな棋士の紹介でもしてみようか。